そうだ 家、建てよう(3)
G社は妻がネットで見つけ、サイトも充実していて頼もしい感じがしたので、一括査定依頼サイトからではなく、自社のサイトから直接依頼した会社である。
ただ、査定の日程調整の時の電話対応がたどたどしい感じがしたので少し不安を覚えていた。
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やって来たのは、電話とは違う人だった。本来は電話の人が来る予定だったのが変更になったようだ。
代わりに来たのは元気の良い体育会系の明るい人だった。そして4社で唯一、妻にも名刺をくれた。
体育会系の彼は、部屋が綺麗でインテリアも素晴らしいと褒めてくれた。今のところ、3社とも、10年近く経っているとは思えないほど綺麗だとは褒めてくれているが、G社の彼が最も興味を持ってくれた感じがした。
しかし、暫定で算出された査定額は2300万円代。
こちらとしては、急いで安く売るつもりはないと伝えた結果がその金額だった。
うちよりももっと駅に近く、競合すると思われるマンションの販売実績などを考慮するとそうなるとのこと。
彼の基準では、14階建の8階にあるうちの部屋は、うちと違って角部屋でもなく、20平米くらい狭い14階の部屋よりも金額が高くはならないらしい。
ここまで査定額に差があるのは解せないので、率直に聞いてみた。査定額が高いところと低いところがあるのは何で?と。
彼によると、高い査定額を提示する会社は、その物件で客を引きつけておいて、他の安い物件を売るために利用したいのではないかと。そして、高い金額では当然売れないので、最終的には不動産会社が6割程度の金額で買い取ることを狙っているのだという。
査定額の高かった会社は平米単価から算出したと伝えたところ、平米単価って何ですか?何を根拠に単価を決めたんですか?という反応だった。そして、我がG社は3ヶ月で確実に売れる金額を提示していると。その結果が2,300万円代という金額であると。
正式な査定額を出すには、システムに入力する必要があり、それには一週間かかるそうで、その代わり30ページに渡る詳細な報告書を作成してくれるらしい。
彼が去った後、名刺を改めて見たが、宅建を持っていることは確認できなかった。ということは100%持っていないということだ。宅建だけでセールスの腕を判断はできないが、不動産会社の営業マンは宅建を持っているのが大前提だと思っていたので意外だった。しかも彼は店長だった。
怒涛の査定ラッシュの最後は、電話で2,700万円〜2,800万円は行けると言ってくれたE社である。
老舗のF社の人の靴がピカピカだったのが印象に残っていたため、真っ先に靴をチェックしようと待ち構えていたら、それ以前の段階でつまずいてしまった。
E社の担当の人は、時間通りにやって来たが、名刺を車の中に忘れて来たので後でポストに入れておくという。今までの3社はいずれも玄関を開けた瞬間に名刺を差し出して来たので、こんな営業マンもいるんだと、面食らってしまった。そして当然靴を見る。ああ、残念。汚れてはいないが、随分履き込んでクタクタになっていた。
そして、これは全社に共通だが、10年近く経っているとは思えないほど綺麗にしていますね、と褒められる。
対応はやや軽い感じがするが話は上手く、うちのマンションも売り込んでくれそうな印象を持った。
査定額は、電話で聞いていたよりもやや低めの2,680万円。うちが2,880万円で売りたいと思っていると言うと、その金額でもいいと思います、みたいな感じだったが、落とし所はやはり2,680万円だと思っているんだろうなというのが伝わって来た。
ここで、安い査定額チームのG社に聞いたのと同じ質問をしてみた。
査定額に500万円以上差があるが、何故かと。
高い査定額チームの彼によると、安い査定額を提示するのは、楽に売りたいからだと。このマンションを2,300万円代ならそりゃ簡単に売れますよと。最近のマンションの相場を上げたのは実はうちの会社で、他社から睨まれていると。そしてここなら2,680万円で確実に売れると。
そんな感じで結構自信がありそうだった。
さらに、査定額を出すのにシステムに入力して一週間かかる会社もあったという話をしたら、何でそんなにかかるか分からないとのことだった。
最後にもう一度、名刺はポストに入れておきますからと言って去って行った。
早速ポストを見に行くと確かに名刺が入っていた。
宅建を持っていることが確認できない、つまり持っていないことが確認できた。
4社の査定が終わった。正式な査定額が出ていないところが2社あるが、どちらも2,300万円から大幅に上がるとは思えない。
この時点でB社とG社の選択肢は消えた。
残るは、老舗のF社と、軽さが気になるが営業力はありそうなE社。
結論は次回。