ふくろうず「ごめんね、ありがとライブ」@日経ホール(2017年12月24日)

最終更新日

ふくろうず、解散

2017年12月24日、大手町の日経ホールで行われた、ふくろうずの「ごめんね、ありがとライブ」に妻と二人で行って来ました。
ふくろうずの結成10周年スペシャルライブです。
今思えば意味深長なタイトルでした。

我が愛して止まない大切なバンドであるふくろうずが、このライブを最後に解散しました。
解散発表の翌日にこれを書いていますが、書きながら色々なことを思い出して涙が出そうです。

ライブは、思い返せば異例尽くしだったけれど、その内容は、昔の曲をいっぱいやってくれて、しかも好きな曲もたくさん聴けたので、僕の中ではふくろうず史上最高のライブに思えました。

この日のライブは、クリスマスイブということもあり、真っ赤なワンピースを着て登場した内田万里の「メリークリスマス!」の一声から始まりました。
いつもは、だいだい曲が終わるたびに「ありがとう」と言うことが多いのですが、この日は間を空けずに数曲続けるパターンが多かったです。
そして、数曲毎に言う「ありがとう」の前に、溜息のように「はぁ〜」と大きく息を吐くシーンが何度かあって、どうしたんだろうとは思いました。
また、これは嬉しいことなのですが、昔の曲を片っ端からやっているという印象を受けました。
MCでは、解散を伺わせる発言はなく、内田万里と卓丸の相変わらずの緩い感じのやり取りがあり、石井ちゃんが飄然としていて、高城君がいじられるという見慣れた風景でした。

アンコールでは、いつものようにベースの卓丸が最初に登場しました。
メンバー全員がサンタクロースの赤い帽子を被り、石井ちゃんは、帽子の他にも鼻眼鏡に髭まで付けていて、卓丸から「トゥーマッチな奴がいる」と言われていました。
いつもなら、新しい物販品を身につけたりしてアピールするのですが、この日はそれがありませんでした。
また、次のライブの告知も一切ありませんでした。
卓丸と内田万里がバンドが10年続いたことは奇跡だと言う話をして、内田万里が「卓丸はそんなに喋らないし、石井ちゃんは全然喋らないし、高城は辞めちゃうし」「ふくろうずは、ダメなバンド!!」と叫んで「だめな人」を歌いました。

一曲目が終わり、「ありがとうの10年でした、最後の曲です」と言って「ごめんね」を歌ったのですが、曲の後で、「気持ちを入れてごめんねが歌えなかった」と内田万里が言って、弾き語りでもう一度「ごめんね」のサビの部分から歌い直すという異例の展開がありました。
本当の最後になった曲は「エバーグリーン」でした。
この曲の時だったかは記憶が定かではありませんが、途中で石井ちゃんが客席に鼻眼鏡を投げるというかつて見たことのないアクションを見せ、内田万里も被っていたサンタ帽を目の前のお客さんに投げて、受け取った人に被るようジェスチャーで促したりしていました。
伴奏が続く中、歌い終えた内田万里が先に退場し、曲が終わった後、卓丸、高城君、石井ちゃんがステージを去って行きました。その際に石井ちゃんはギターを持ったまま消えていったので、思わず隣にいる妻に「石井ちゃん、何でギター持ったままだったのかね?」と話しかけました。

僕らは帰りの電車の時間の都合もあったので会えなかったのですが、終演後の物販にメンバーが出て来て、サインをしたりしてくれたそうです。そして、おそらくその時にボーカルの内田万里に聞いたのだと思いますが、ファンの一人が、「来年のことを内田さんに聞いたら明日発表あるとのことです」とツイッターに投稿していました。
帰りの電車でそれを読んで一抹の不安を覚えたのは確かです。いや、一抹どころではなく、三十八抹くらいの不安を覚えました。

そして翌日、仕事中も気になって仕方がありませんでしたが、頻繁にスマホをチェックするわけにもいかず、もやもやして過ごしていました。
そこへ、登録している音楽ナタリーの通知が届き、開いてみると衝撃のニュースが入っていました。

ふくろうず、解散を発表「わたしたちは幸せでした」

しかも、ライブ当日の12月24日をもって解散したという報告でした。
オフィシャルサイトにはふくろうずからのコメントが掲載されており、そこには、最後のライブを楽しく終えたかったためにこのタイミングでの発表になったことのお詫びと、これ以上続けられないと思ったという解散の理由、そして感謝の気持ちが述べられていました。

「これ以上続けられないと思いました」

理由に該当するのはここだけです。
物議を醸しそうな理由ですが、真相が明らかになることはないでしょう。

セカンドアルバムの「ごめんね」が出た後くらいに存在を知って大好きになり、ライブにも何度も行き、握手してもらったり、少しだけですが会話することもできました。
高崎 club FLEEZでの内田万里のソロライブの際には、僕のリクエストに応えて「夜明け前」を歌ってくれました。

ラストライブという、悲しいけれどかけがえのない瞬間に立ち会えたのは、今はまだそうは思えないけれど、もっと時が過ぎれば、幸せだったと思えるかもしれません。

解散の理由は分かりませんが、内田万里はインタビューでこんなことを言っていました。
バンドを続けるためにはもうちょっと売れたいけれど、流行りを取り入れてヒットを狙うことはできない、自分の好きなものや自分らしさを出して、それが聴く人に届けばいい、と。

僕らにはそれが真っ直ぐに届いていました。
でも、残念ながらライブ会場以外では、ふくろうずの曲を聴いたことがある人はおろか、その存在を知っている人にすら会ったことはありませんでした。
内田万里という稀有な才能を、僕らのようなコアなファンがCDを買い、ライブに行き、グッズを購入するだけでは支えることは難しかったということかもしれません。
それでもまだ、もし、内田万里が今後も音楽を続けてくれるなら、また、ライブで会いたいです。
今はただ、ふくろうずの皆さんに今までありがとう、と言いたいです。

odorukame

町田康と内田万里とモーモールルギャバンが好きです。 InstagramとTwitterをやっています。 odorumachizoです。

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